そのラジオは木製合板の筐体で重厚感があり、FM放送が聴けるというので、1970年当時、大阪府に住んでいた私は、NHK-FM、FM大阪(当時開局したばかり)の2局をよく聴いていました。SONYの「8F-48」というモデルで、とにかく雑音がAM放送に比べてはるかに少なくクリアな音声で、スピーカーは一つしかありませんがステレオ的な音響に感激したものです。NHKはクラシック中心だったので、もっぱらFM大阪から流れてくるハイセンスな語りや音楽、特にポピュラー、歌謡曲、ロック、イージーリスニングといった音楽に興味を持つようになりました。
ラジオはAMチャンネルの深夜放送が全盛期でみんな夜遅くまで勉強しながら、または暇つぶしにただなんとなく耳を傾けていました。FMラジオ以前からAMの毎日放送、朝日放送、ラジオ大阪などで、ポピュラーミュージックはまあまあ馴染みがあったのですが、FM大阪には都会を感じさせる雰囲気が漂っていました。とにかく堅苦しいクラシックには敬遠していたので、NHKにはあまり合わせなかったのですが、ただ大阪でローカルに放送していた平日18時-19時、土曜日15-18時のリクエスト番組はよく聴きました。
ある日、FMで放送される音楽がリクエスト番組以外、掲載される「週間FM」や「FMファン」という雑誌が本屋さんで売られているのを知りました。
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